大和川・高井田古墳群
令和5年6月の河内野吟行は、柏原市の大和川・高井田古墳群でした。
梅雨の中休みの、晴れ間の覗くほどよい一日の吟行となりました。JR高井田駅から程近く、横穴古墳群が口を開けて私たちを迎えてくれました。「史跡高井田横穴公園」は6、7世紀頃渡来した人々の墳墓と伝えられて、200基程の横穴があったそうです。出土品や、線刻壁画が描かれ、大変貴重な文化財となりました。
覆い茂った古墳山は見渡す限り、まさに万緑に抱かれています。周囲には、竹林や紫陽花など彩りを添え、急な坂に注意しながら歩く木下闇も、又夏のものです。
何度か訪れた方も、新しいものを発見しようと、句作に励む姿が見られました。因みに言えば、私の子供の頃は施錠などなく、開放されていて、良き遊び場でもあり、馴染みの深い古墳山でした。今や見応えのある歴史資料館もあります。
又、近鉄安堂駅からは、大和川の風景を賞し、二上山を望みつつ、草花を愛でながら歩かれた方も居られました。今は梅雨時で、鳥の姿も少ないですが、謂れの深い大和川も一見の価値ありです。はるかな歴史を刻むいにしえの川、そして現在、くらしの間を流れるふるさとの川、大和川です。
立入宮子 記(河内野令和5年9月号より)